この原稿を書く上で
3つの前提があることをあらかじめお伝えしておきます。
記者業をしてきて思うこと。
僕は行政が好きじゃない。
行政の人は基本守りだ。
前例に従って行動するのが基本だ。
でも「いざ」「想定外」に備えておくのが
行政の仕事でもあるはずだ、と思う。
まさに洪水を予想した「ハザードマップ」の作成などが
「いざ」に備えた仕事なわけだけど
あれは
国が作れと命令したから市町村でも作ったまで。
行政の大多数の人は基本
誰かに命令されないと
動かない。
なるべく動こうとしない。
僕はそう捉えている。
厚労省は、
特にその弱点が顕著だ、と思う。
それが一つ目の前提。
2つ目の前提が、
中国政府は絶対に
正確な感染者・死者数を発表していない、ということ。
3つ目の前提は、
日本の初期の水際対策が甘すぎて
既に国内にウイルスが入り込んでいる、ということ。
この3つの前提の上で
横浜港で缶詰め状態のクルーズ船の記事を見てほしい。
「危機管理に課題」なんていうけど
個人的には「課題」のレベルではないと思うのだけど…
自省する声…
「追求をかわした」…
かわせてるのかな…?
「外国船だから指示は難しい」…
外交ルート使って、イギリス船長にお願いすれば済む話でしょ。
クルーズ船だって、
ダメージを最小限にしたかったはずだ。
問題は
「国として積極的に働きかけたのか?」ということ。
この記事を読む限り
「外国船籍なので働きかけしなかったっす」と読める。
政府は国民の代表者だ。
でも、代表者としての行動をしていない。
ということになる。
その結果、感染者が増えた。
「衝撃的だった」というけど
中国国内での感染力を見ていれば
「当然の結果」と思うのは僕だけだろうか。
むしろ「当たり前じゃん!!」って結構な人思ったのでは??
「衝撃を受けた」政府に対し「衝撃」を受ける。
最後の専門家の〆がまた恐ろしい。
感染終息後?
今すぐ修正できないのかな?
厚労省の対策の遅さで
人が死んだら、誰が責任取るんだろう?
日本の法律では
人を殺せば殺人罪に問われる。
2人殺せば死刑が相場。
誰かを病死させても
「想定外でした」で済むのだろうか?
そこが僕には解せない。
社会面には
「湖北省に滞在していたことを理由に宿泊を断ってはならない」という。
えっ?
潜伏期間最大2週間なのに、なぜ??
なんてことない。
今の法律を適用すると
断ることができないからだという。
むむむ。
前例主義、ここに極まれり。
緊急事態なのに、
これでいいのだろうか?
日本社会での蔓延よりも
感染可能性者の人権を尊重するのは妥当なのか??
湖北省滞在歴のある人は
普通に県の宿泊施設に泊まってもらえばいいじゃないか。
僕には解せない。
ということを考えながら
合間合間に双子と遊ぶ。
きょうは一人を抱えて
「あれ??Aが見当たらないぞ!!どこ行った??」
「パパの後ろ!!」
「えっ??どこどこ??」
とぐるぐる回り、
ケタケタ笑うのを繰り返した。
テレコで繰り返した。
一体僕は誰のために、
何のためにこんな厚労省批判を書いているのか
自分でもわからないのだけど
書かないわけにはいかないのだ。