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双子パパの脱サラ日記〜子供との時間を大切にして生きる実証実験〜

テレビ一筋だった39歳。扶養や住宅ローンを抱える中とりあえず脱サラ。このブログでは、赤字生活で始まる無鉄砲な脱サラから事業成功までの過程を包み隠さずリアルタイムでお伝えします。当面の着地点は「好きな時に好きな場所に旅。家族みんなで。時に一人で」。

【田舎には田舎の事情】「とりあえず農家を紹介してくれ」といわれてもできない理由

彼は

「向こうでブドウ栽培をしてほしいんだ」と言った。

「そういうことをやりたい人を探してほしい」

 

彼は名刺を忘れてきていた。

 

たいした自己紹介もなく、

こうした大雑把なお願いをされて

僕の警戒心が働いたんだと思う。

 

雑な人だ。

大丈夫か?と。

 

彼がまだサラリーマンであることにも違和感があった。

 

超一流企業で重要な仕事を任されているから

とても優秀な方なんだろうけど、

片手間でやろうとしている人と組む気になれない。

 

僕は

結論としては難しい」と回答した。

 

 

 

僕は

「その理由を聞いていただきたい」と前置きしたうえで

田舎には田舎の事情があることを説明した。

 

日本の農業はJAが握っている。

 

農家も「サラリーマンのように生きれる仕組み」が出来上がっている。

 

いつどんな肥料・農薬を散布するのか、JAが「指導」する。

 

もちろん購入先はJAだ。

 

農機具も資材もすべてJAが指導し、販売してくれる(一部クボタなども)。

 

資金が足りなければJAバンクだ。

 

そうして出来上がったものはJAが買い取ってくれる。

 

収穫が一通り終われば旅行に行くことだってある。

ツアーはもちろんJA系(Nツアー)だ。

 

海外旅行先で安く女性を買い漁ったら、

JAの職員に秘密を握られることになる。

 

JAは「ゆりかごから墓場まで

 

気が付けば、JAとはジャブジャブの関係になっている。

農家はJAから逃れられなくなっている。

 

そして、ものすごく狭い世界だ。

 

「うさん臭い世界に手を出した」となると、

そんな噂は一斉に広まっていく。

 

 

 

 

僕が知っているリンゴ農家のリンゴは

めちゃくちゃうまい。

 

すべて独自理論でやっている。

 

というのも、

彼はJAが大嫌いだった。

 

JAのやり方に疑問を持ち、

JAとの関係を断った。

 

独立だ。

 

いわゆる「脱サラ」だ。

 

農薬を何にするか(使うのかどうか含め)は

化学の世界だ。

 

すべて自分で勉強しなくてはならない。

 

販売先も自分で開拓しなくてはならない。

 

でも彼は、すべて成し遂げた。

 

今や彼のリンゴは買いたくても手に入らない。

 

古くからのお客さんの分を確保して終わりだ。

 

追加注文も来るが、在庫がないと謝るしかない。

 

山形の人は人がいいというか、商売下手なので、

価格を上げる、ということをしない。

「昔からお世話になってるから」と。

 

そういうスーパー農家を何人か取材したことがあるが

彼らが共通して言うのは

「栽培は子育てと同じ」

「天候不順との闘い。毎年1年生状態」

 

いいものを作るために

必死なのだ。

 

 

だから

「技術指導」できるレベルの人なんて

他の農場をかまっている余裕などない。

 

全身全霊をかけて、

おいしいコメなり果樹を作っているのだ。

 

 

この理屈で言えば

もし中国で栽培してみたいという人がいるとすると

技術は保証できない無鉄砲な人、という可能性がある。

 

「きっとその人は

 中国に行ってもあなたに泣きついてくる。

 僕は紹介はするが事業には関わらない。

 あなたはそうした場合、その人の面倒を見れるか」

と尋ねた。

 

彼はすぐに首を横に振った。

「それは無理だ」

 

僕は、それ以上言葉をつなぐ必要はなかった。

 

破談かと思われた。

すると彼は

感心したように話を変えた。

 

「その話でドキュメンタリー作れる」

 

こんな話は

とうの昔に書籍化されている。

 

いわゆる

「1周回って知らない話」ってやつか。

 

僕は力なく「なるほど」と答えた。

 

そして彼は

「東京近辺の農家探したほうが早いかな」と言った。

 

少しすねた言い方だった。

「岡山に行ったときは全然違った。ノリノリだった」。

 

でも結局、岡山も破談になっている。

僕から見れば、当然の話だ。

 

でもあえてくぎを刺した。

 

「西と東北では全然違います。違う国と思ってください」

 

つまり、西でうまくいかなかった話が、

東北でうまくいくはずがない、

という意味を込めたつもりだった。

(バックパック旅では関西人とばかり出会う。

「関西人は声が大きいし目立つだけだ」と主張する人もいるが、

 実際バックパック旅をした僕の経験では、出会う8割が関西人だった)

 

 

「中国でやってやるという若い人で腕のいい農家は知りません」最後の〆だった。

 

でもわざわざ来てもらったので、

何かしらの意味ある情報は持って帰ってもらおうと、

いくつか山形の農業事情について説明した。

 

東根市は若手グループが地域全体のレベルを上げるため

 組織作って勉強会開いたりしています

 あの地域なら、サクランボであれば誰か一人ぐらいいるかも知れませんね」

 

そこに彼は食いついた。

 

そして話が盛り上がることになったのだった。

 

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