記念すべきリノベーション物件第一号は、現金で買うことにした。
・融資を受けると、審査分時間がかかってしまう
・手数料が20万ほど余計にかかる
からだ。
ただ、現金で買うと決めてからいろいろ計算してみると、やはり、ローンを引かないと、今後資金繰りに困りそうだということがわかった。
できることなら、すべてパーフェクトに計画を立て、準備を整え、実行したい。
しかし、それをやろうとすると、すべてが止まる。
何から手をつけたらいいかさえわからなくなる。
何も進まなくなる。
「走りながら考える」。
残念ながら、そうせざるを得ない。
物件を現金で買うことを決めた。
その結果、資金がショートしかねないことがわかった。
やはり、リノベーション費用分を借りよう。
融資を受けるためには「見積書」が必要なんだそうだ。
僕はそれすら知らなかった。
OK
それなら「見積もり依頼」をしようじゃないか、ということになった。
まずは、地元資本のホームセンターに行ったときに聞いみた。
「うちは小売りですので。」
「現金でしか受け付けていませんよ」
「みなさん、卸しから直接買って仕入れを抑えて利益を出しているんですよ」
体よく断られた。
と言っても、僕の場合、住宅をリノベーションと言っても、必要資材は高が知れている。
卸しにお願いするほどの量はない。
細々とした資材があるだけだ。
ホームセンターで一発で解決したい。
でも断られた。
どうしたらいんだ?
数日、迷っているところで、ふと、違うホームセンター(イオン系)で看板を見かけた。
「資材・建材のまとめは当店で!見積り無料」
なんてことだ!!
ここでやれるじゃないか!!
よし、ここにお願いしよう。
自宅からも近いし、リノベーション物件からの便もいい。
よし、「見積もり依頼書」を準備しよう。
いざパソコンを開く。
開く。
開く…
…
ピタリと手が止まる。
あれ?
何が必要だ??
僕の頭には、リノベーション物件の屋内で1人立ち尽くす自分の姿が思い浮かんだ。
日は差さず、しんと静まりかえった室内で、僕は呆然と立ち尽くしている。
「何から手をつければいいんだ?」
誰もいない。
…
…
待て待て。
冷静になろう。
1つずつやっていけばいいだけだ。
わからないことがあれば、何がわからないか明確にして、調べるだけだ。
何でも教えてくれる「YouTube」先生がいるし、僕の周りには親切に指導してくれる経験者だっている。
冷静に丁寧にこなしていけばいいだけだ。
じゃあまず、何からやる?
壁だ。
よし。
壁。
壁をどうする?
理想を求めすぎず、経費を抑え、おしゃれにカッコよく。
となると…
よし、基本、ペンキ塗りにしよう。
当初は「壁を青やピンクにして特徴を出そう」と思っていたが、この物件は立地がいい。
むやみに攻める必要はないだろう。
でも、守りすぎては、経験を今後に活かせない。
ちょっとアクセントをつけよう。
よし。
壁は基本、白塗り。
一面だけ、グレーや青にする。
実例をネットで検索してみる。
いいじゃん。
よし。いける。
じゃあ、どのくらいのペンキを買うのか?
図面から壁の面積を算出していく。
「ここは2間半…。高さは2400㎜として…
ということは 910*5*2400…」
セルに打ち込んでいく。
「10920000㎟」
??
単位が㎟か!!
これじゃダメだ。
わけわからん。
メートルに換算し直して、セルに打ち込みなす。
どうだ!?
「109.2㎡」
よし。
DK、リビング、和室…
一部屋一部屋考え、最後に足し合わせる。
次!
床!
DKとリビングだけ「クッションフロア」を張ろう。
フローリング風のかっこいいやつ。
どれくらいの量が必要だろう。
床面積を換算する…
「2間×4間だから…」
セルに打ち込む。
エンターキー。
「25.92㎡」
よし。
…
待てよ…
㎡で出しても、お店の人どれくらい準備したらいいかわかんないか。
クッションフロアってどうやって売ってるんだっけ??
そうだ。
写真に撮ってある。
1820㎜幅で、メートル単位で売ってるんか。
じゃあ、それに合わせなきゃ…
ということは、DKは、8メートル分か…
んでリビングは、16メートル分…
洗面は…
あっ、そうだ。
クッションフロアの下に合板敷かなきゃ。
合板は、1820*910*12だから…
そっか。
壁にペンキ塗る前に「シーラー」なるものが必要だ…
あっ。
天井分のペンキも必要か。
そうして、数時間かけ、ようやく出来上がった。
ちょっと待てよ…
こんなの直接渡せないな。
様式あるはずだな。
検索してみる。
わお。
必要な商品の「品名」「形式」まで指定するのか…
レベル高えな…
そりゃそうか。
どこの会社のどのペンキが必要か?なんてわかんないよ…
本当に商品名まで必要なのだろうか?
「『屋内用』を適当に見積もってください」ではダメなのかな?
直接電話で聞いてみよう。
バカな質問をして呆れられるのが少し怖い気もするけど…
まずは「見積もりは当店で!」のイオン系ホームセンターにTEL。
僕は
「見積もり依頼について聞きたいのですが」と聞くと
電話に出た女性がそのまま対応した。
結果
「商品名まで指定してくれた方が…」とのこと。
次。天童市にある巨大ホームセンターにTEL。
やはり
「見積もり依頼について聞きたいのですが」と聞くと
電話口のおばちゃんは
「何の見積もりか?」と問う。
「屋内のペンキや合板など」というと
「担当が分かれるのだが、どっちがいい?」と答えられた。
ダメだ。
面倒くさい。
礼を言って電話を切った。
OK
商品名と量がきちんと必要なのだ。
もう一度お店に行って、一点一点調べよう。
ひとつひとつに思った以上の時間とエネルギーがかかってしまう。
起業とはそんなもんだ。
ひとつひとつこなしていくだけだ。