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双子パパの脱サラ日記〜子供との時間を大切にして生きる実証実験〜

テレビ一筋だった39歳。育休取得してパパ業の大切さと”ワンオペ育児”のヤバさに気づく。「このままじゃいかん」と思うものの記者業しながらの副業はこなしきれず、扶養や住宅ローンを抱える中とりあえず脱サラ。まずはセルフリノベで2軒の大家になり収入を少し確保。このブログでは、赤字生活で始まる無鉄砲な脱サラから事業成功までの過程を包み隠さずリアルタイムでお伝えします。YouTubeもぜひご覧くださいませ。当面の着地点は「好きな時に好きな場所に旅。家族みんなで。時に一人で」。

4回目の内覧

今回の内覧は、大江町

 

築40年・250万円の一戸建てだ。

 

職業訓練校が終わってから、まっすぐ集合場所に向かった。

 

大江町役場近くにある、セブンイレブンに集合だ。

 

そこから近いという。

 

「立地は悪くない」と思った。

 

大江町なら、寒河江に通うにも、山形市に通うにも、意外と便がいい。

 

車を5分も走らせれば、スーパーマーケット(ヤマザワ)もある。

 

 

到着してまず、空き家になってどれくらいかを聞いた。

 

2年だという。

 

そこから、町からの補助が出て、就農者が住んだ。

 

その就農者も出て行ってから、誰も借りていない、という。

 

出て、半年はなろうか。ということらしい。

 

以前からネット(アットホーム)に上がったままで、なかなか買い手がつかない物件だ。

 

不動産屋には

「リノベーション物件を探している」という旨は、あらかじめメールで伝えてあった。

 

現場で50がらみの不動産屋はすぐに

「何のために購入を検討しているのか?」を聞いてきた。

 

僕は

「家族用の賃貸だ」と答えた。

 

「家族用?」

 

「こうした郡部は、家族用の賃貸がないから、寒河江の方に流出しちゃう。家族用の賃貸物件が不足していると聞いたもんで」と、正直に答えた。

 

不動産屋は、変な顔をしていた。

 

そして僕に質問を続けた。

 

「すでに何軒かもっているんですんか?」

 

僕はやはり、バカ正直に答えた。

 

「1軒目を探しています!!」

 

爽やかな笑顔で。

 

すると不動産屋は

「1棟目!?」と驚きを隠さなかった。

 

落胆したのは明らかだった。

 

夕方遅い時間、山形市からはるばる大江町までやってきたのに、相手は何もわかってやしない、むしろ勘違いしているんじゃないかという、ド素人だったのだ。

 

彼は

「自分が住むために見に来た人は何人かいたが、投資で見に来た人は初めてだ」と、呆れて言った。

 

 

僕が退職後心がけていることの一つに

 

「気にしない」ということがある。

 

僕はたった今、業界人にとってバカな発言をした。

 

間違いを犯した。

 

でも、「気にしない」。

 

僕はこれから、どんどん成長していく。

 

そりゃあ最初はいろいろ間違うし、恥もかく。

 

それは織り込み済みだ。

 

だから「気にしない」。

 

仕方がないことなのだ。

 

背伸びしても始まらない。

 

僕は聞くべきこと、「下水」「ガス」「床下」「固定資産税」などを聞いていった。

 

彼は「固定資産税がいくらか知らない」と言った。

 

「しまった」という表情だった。

 

僕は

「数万円ですよね」と同意を求めた。

 

相手は知らないことを責めるニュアンスが全くないことに、安心しているようだった。

 

間取りをラフなイラストでメモっていった。

 

僕は真剣だった。

 

僕が本気で検討していることが伝わったのだろう。

 

彼も、僕の質問にはきちんと答えた。

 

ただ、この物件に関心がないのは明らかだった。

 

「さすがに買うまではしかないだろう」と思っているのは明らかだった。

 

不動産屋は、ラフな感じの人だった。

見ようによっては横柄にも見えるし、気兼ねがない人にも見える。

 

彼は

「こういう物件見に来る人は、家に入れなくなって、とりえあず急きょ探している、という人が多いですね。というか、そんな人いるんだなぁって思いましたよ」と言った。

 

僕は思わず「貴重な情報ですね」と声を張り上げてしまった。

 

こういうときにやけにテンションがあがってしまうのが、僕の弱点だ。

 

Nならきっと、笑顔で、でも冷静沈着に「へ〜」と答えるぐらいにとどめるだろう。

 

ぼろ家にはぼろ家の需要がある、というのは確かだ。

 

こうした物件の賃貸の需要は、間違いなくある。

 

そして不動産屋が続けた。

「そういえば南陽で、同じように賃貸用に古い物件を買った人がいましたね」

 

「へ〜」

 

僕は、言われた瞬間、ある特定の人物が思い至った。

 

僕と同じ年の人間だ。

 

僕はトイレを眺めながら、無関心を装って

「何歳ぐらいの人ですか?」と聞いてみた。

 

 「若い人でした」

 

そうだ。きっと彼だ。

 

僕は、それ以上何も答えなかった。

 

僕は取材でのたうちまわっていた自分を思い出した。

 

知りすぎていることは、答えるのが難しい。

 

知っている人間ほど、沈黙を貫く。

 

だから僕も、沈黙になる。

 

 

6DK。土台も問題ない。

 

250万円。値引きは「気持ちだけ」。

 

すぐ近くに、坪4万円で売り出しているところがあるので、そこと同じ価格設定にすると400万円になる。上物があるので、解体費用を差し引いて250万円。

 

「適正価格」ということだろう。

 

リノベーションに100万円みて、350万円。

 

家賃4万円で年間家賃収入、48万円。

 

350÷48=7.3

 

回収に7年半か。

 

1棟目で無理して買う物件ではないな。

 

これなら、伊達城の物件の方が安いし、立地もいい。家からも近い。

 

僕は外も1周して結論を出した。

 

これは買わない。

 

そこで僕はまた間違いを犯した。

 

別れ際

「せっかくご案内いただいたのですが、1棟目としてはリスキーなので、今回は見送ります。事業が走って2、3軒やって残っていたらまたご相談させてく下さい」と伝えた。

 

彼は遠くを見ながら

「そうですね」とつぶやくと、もう頭では次のことを考えているようだった。

 

僕が車に向かうのを確認するや否や、自分の車に乗り込んで、僕より先に物件を後にしてしまった。

 

僕は彼の車が何のためらいもなく現場を去っていく様子を横目で見ながら、自分が動揺していることを意識しないわけにはいかなかった。

 

客を置き去りにして去っていくなんて…

 

失礼すぎる。

 

僕は、動揺が怒りの感情に変わっていくのを意識した。

 

「誰か愚痴を聞いてもらってすっきりしたい」と思ったが、誰に電話をかけたらいいかわからなかった。

 

とりえあず、大きなため息を吐いた。

 

 

ここにいても仕方がない。

 

車を走らせた。

 

走らせながら、彼が僕に対して失礼な態度をとったその理由に頭を巡らせた。

 

その場でNGを出したのが失礼にあたって、「こんな奴、相手にしてられない」と怒ったのだろうか?

 

記者をしているときに取材に失敗した場合、失敗の箇所はわかった。

 

それで改善を続けてきた(失敗の根本はいつも同じ原因だった。だから記者職を辞した)。

 

僕は改めて

「自分は業界のルールを知らなすぎる」と思った。

 

「もっと業界のルールを知りたい」と思った。

 

僕は、気づけばNに電話していた。

 

昨日も30分ほど電話でレクチャーしてもらっていた。

 

これ以上甘えるのには気が引けたが、それでもやっぱり彼に頼る以外、僕には道がなかった。

 

Nは、「僕がとった行動が失礼にあたる」と教えてくれた。

 

間違いを指摘すること自体ストレスになるはずだが、彼はきちんと教えてくれた。

 

さらに30分ほどレクチャーをしてくれた。

 

彼の教えは本当にレベルが高い。

 

講師になれるレベルなんだと感じる。

 

スポ少なのにプロから教わっている気さえする。

 

ありがとうN。

 

とりあえず「物件の見学数が少ない」「目の前の物件を追いかけてるだけで、着地点のキャッシュフローが見えていない」という指摘は本当にありがたい。

 

精進します。

 

あまりにありがたくてありがたくてどうしたらいいかわからなくなった私は、起業の先駆者、Dに電話したのだった。


「どうやってお礼したらいいべ?」


「一段落してからでいいべ。物件一つ買ってからとか」


なるほど。さすが。


買おうと思ってる物件について相談した。


「負担にならない程度ならいいべ」


なるほど。さすが。


私今、いろいろと考えすぎて、周りが見えない状況になっております。


しばらく、この御三方に道案内をお願いしながら、生きて行くことになりそうです。


クタクタになって帰ると、元気いっぱいのわんぱく双子が待っていました。